物ログ

物欲おばけが断捨離する記録

「破局」遠野遥

破局

破局

 久しぶりに生きてる人間の書いた小説読んだ。小説ってこんなんでしたっけね。
 ストーリーの骨格自体は別に普通。進路の決まった後の大学生が女を乗り換える、破局から破局へ向かう話。
 面白い→面白くない→面白い→面白くないのジェットコースターでそれはつまり結局なんなんだ…ていう混乱体験はおもしろかった。
 主人公の人物像がかなり嫌いだったな。自分の行動を決める基準が全て「社会的にこうすべき状況だから」と客観的といえば大人っぽく聞こえるけどはっきり言って自分がない。
 そういったキャラクターを俯瞰でくっきりと浮かび上がらせる描写にクセがなくて馴染みやすいのも今時でいいのかな。あーこう大学生いる、て思いながら読めた。作者の顔写真を見てから読んだせいで主人公のビジュアルだけ混乱して想像しづらかったけど。
 大学生のムカつく部分がギュッと詰まってる現代小説でした。