「自由への手紙」オードリー・タン
・そもそも私たちは誰もがマイノリティです。みんなかたちが違うだけで、それぞれに弱さを抱えた人間であり、その弱さを共有することが大切です。
・自分がどんな人であるかを、表現することが自由です。自分が自由を手にしたら、握りしめずに共有して、みんなを自由にする。
・問わなければいけないのは、「置いてけぼりを食う人がいないかどうか?」です。
・ネット上のニュースでも、「話題にする価値があるのか?」と考えてみる
・すべてのデータにはバイアスが掛かっており、「データの消費れになってしまったら、本質がわからなくなります。
・一見、まるで関係のない法案や異なるプログラムであっても、発案されたすべてのものは、必ずジェンダー共同参画委員会に意見を求めるルールをつくる。
・個人と個人の間に愛が生まれるのは、相手が何かのカテゴリーに当てはまるからというわけではありません。
・自分の居場所で安全が担保されたから、他者を受け入れ、思いやることができました。
・「政府がこれをしているのはなぜなのか」ということを国民に説明する、アカウンタビリティ(説明責任能力)です。
・いかに優れたものだとしても、"唯一のお手本"にあまりに依存してしまうと、一つの文化に偏ったことによる弊害が生じます。その点、お手本がいくつもあれば、その過ちを避けることができるのです。
・それが見えやすいか、見えにくいか、ただそれだけの話です。
・本当に多様性を求めるなら見えなくされている「違う人たち」を見つけなければなりません。
- 発売日: 2020/11/18
- メディア: Kindle版
弱さも自由も共有する。まるでご立派な理想論が綴られているかのようで一瞬ウッとなるけどこの人はこれらのことを台湾のデジタル大臣として成し遂げてきたわけで…オードリーが大臣として登用され活躍できること自体が台湾が成熟した社会を有している証左。
後半の70になっても働ける、というくだりは一切共感もできなければむしろ拒否したいけれど…人間は老化するし病気や怪我もするし、いくら健康寿命が伸びているとは言え勘弁してくれと思った。バリバリ働きたい人が働けて適当にやりたい人は適当にやれる社会がいい。
日本がオードリーの言うような自由を手に入れるには100年くらいかかりそう。まずは自分ができることから。
物事を見る角度はたくさん用意しておきたいし、相手を自分の定規で決めつけたくないし、そのためにもお手本は一つではなく複数見つけたい。自分のお手本だから当然自分の好みに偏りがちだけれど、まずは「興味のないことをなくす」ことからかなと思う。
食べる時間を変えれば健康になる
前半は体内時計が狂うと体に良くないよ〜という内容、後半はマウス実験で食事の内容やタイミングで体内時計がどうズレるか、運動のタイミング、投薬のタイミング、魚油で花粉症が治る、情報編。
・グルコースだけではなく、グルコースを別のものと組み合わせてマウスに食べさせてみたところ、体内時計が動き出しました。なかでも1番動きがよかったのが「グルコース+タンパク質」の組み合わせでした。
・GI値の高い炭水化物には、体内時計を前に進める効用があることがわかります。
・夕食時に食べるなら低GIのものにして、できるだけ時計を動かさないようにします。
・「朝は小麦、米」が、効果大
・朝食が夕食よりも多いと(3:1)、位相は朝型にズレていきます。
・①絶食時間を空ける(早寝する)だけではなく、②「朝」と決めた時間帯の食事時間にしっかり量を食べることで体内時計は「朝」と認識するわけです。
・夜中の1時は、「魔の時間帯」です。「魔の時間帯」に食べると、確実に時計の乱れが生じることがわかります。
「破局」遠野遥
久しぶりに生きてる人間の書いた小説読んだ。小説ってこんなんでしたっけね。
ストーリーの骨格自体は別に普通。進路の決まった後の大学生が女を乗り換える、破局から破局へ向かう話。
面白い→面白くない→面白い→面白くないのジェットコースターでそれはつまり結局なんなんだ…ていう混乱体験はおもしろかった。
主人公の人物像がかなり嫌いだったな。自分の行動を決める基準が全て「社会的にこうすべき状況だから」と客観的といえば大人っぽく聞こえるけどはっきり言って自分がない。
そういったキャラクターを俯瞰でくっきりと浮かび上がらせる描写にクセがなくて馴染みやすいのも今時でいいのかな。あーこう大学生いる、て思いながら読めた。作者の顔写真を見てから読んだせいで主人公のビジュアルだけ混乱して想像しづらかったけど。
大学生のムカつく部分がギュッと詰まってる現代小説でした。
最近の積読解消記録 お気持ち編
- 作者:和田 秀樹
- 発売日: 2017/01/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
感情的にならないためには感情的にならなければ良い、みたいな小泉構文本であった。だからそれがわかんねーから買ってんじゃろが!!となり余計に感情的になって元も子もなかった。
3年近く積んでいたため熟成を通り過ぎていた模様、アーメン。
- 作者:岡野 憲一郎
- 発売日: 2019/01/15
- メディア: 単行本
なぜ忘れられないのか?について第1章では実際の事例を紹介しながら、第2章では脳のメカニズムから忘れられないパターンを紹介、第3章でいよいよパターン毎、あるいは複数のパターンに有効な忘れる技術の紹介、と言う感じなんだけど本当に「技術の紹介」でしかなくて忘れる技術を習得できる本ではなかった。
相手を許す、とか視界に入らないようにする(物を捨てる)とか一見するとゆるふわ回答しかなくて既に実践済みで困ってる人間はプロ(精神科医またはカウンセラー)に話す段階しか残されておらず釈然としない気持ちになった。
しかしながら自分が今まで忘れようと実践してきたことの一部はそんなに間違ってないという後ろ盾を得られたことは大きいと思う。この方向で大丈夫ではある。
マインドフルネスが良いとされているがなぜいいのか?なににいいのか?と具体的に説明されててわかりやすかった。マルチタスクによって脳が疲労する→マインドフルネスにより呼吸に集中することでシングルタスクの練習をする、という。
生活するうえでマルチタスクをやめて全てをシングルタスクに切り替えるなど不可能なため、適宜マインドフルネス等により休息を入れ脳味噌をシングルタスクに導いてあげるための、生活に組み込めるマインドフルネスの方法が幅広く数多く紹介されている。実践しやすいものばかり。
理屈と、思想と、実践と、バランスよく書かれてて納得度の高い一冊でした。
「スタンフォード式 最高の睡眠」 西野精治 *再読
・睡眠の質は、最初の90分で決まる。睡眠全体のなかでももっとも深い。成長ホルモンがもっとも多く分泌されるのも最初のノンレム睡眠が訪れたとき。また、海馬から大脳皮質に情報が移動し、記憶が保存されるのもこのとき。
・眠りたいという睡眠欲求=睡眠圧が高まってくるが最初のノンレム睡眠でその睡眠圧の多くが解放される。このタイミングで眠ることが大事。
・就寝の90分前の入浴で体を温める。入眠時には深部体温を下げ、皮膚温度は上げ、温度差を縮める。
・眠る前は何も考えなくてすむようパターン化して脳を休ませる。
・1日に楽にずらせる時間は1時間
・眠りの定時を厳守
・目が覚めたらたとえ曇っていても目から光を浴びること。メラトニンは覚醒の段階では分泌を抑えなければいけない。太陽の光によって分泌が抑えられ夜になると分泌が促される。
・睡眠中は体温が下がり、覚醒時には上がる。布団から足だけ先にだすとよい。
・固形食を「噛んで食べるマウス」には、睡眠や行動パターンに昼夜のメリハリがある。記憶を司る海馬で神経新生が起きている。「噛まずに食べるマウス」は覚醒すべき時間に活発に活動しなくなった。
・血中カフェイン濃度は半分になるまでに約4時間。
・生活リズムの乱れ→90分の乱れ→最初のノンレム睡眠の「睡眠圧の解消」がうまくできないため明け方になっても眠気が残ってしまう。
・お昼に眠くなるのはランチのせいではなくサーカディアンリズムによるもの。脳の血流は最優先に保たれる。
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前半は睡眠の質が悪いことの弊害と最高の睡眠=最初の90分の重要性について、残り半分でその90分の質を上げるための技術について書かれている。忙しいひとは3章から読んでも差し支えないと思う。
文体こそ読みやすいものの本の構成は私には難解だった。もうすこし実情に沿って言うと前半無駄話ばかりだし後半の順番はよくわからないし散文的と言うか睡眠にまつわるティップスが散りばめられてるだけで、読み進めるほど理解が深まる!みたいなことはない。ずっと平坦で90分90分言ってて山場が見当たらないからかな。Amazonレビュー見てもそんなこと書いてるひとないからわたしがただバカなだけかもしれない。
入眠の90分前の入浴、ぬるめのお湯に15分浸かるようにしているけど、深部体温と表面温度の差を縮めるってどうやって?てとこが書かれてないからちょっと困る。寒いし湯たんぽ布団の足元に入れてるけど。
なかなか毎日同じ時間に眠ることが叶わないけど、毎日同じ時間に眠くなってるので意識よりもサーカディアンリズムの無意識のほうがきちんとしている。この振り子を合わせることができれば睡眠の質が上がると考えているが、、
起床と覚醒についても書かれていたけどカーテン開けろとかシャワー浴びろとかコーヒー飲めとか、布団を出た後のことばかりでわたしにはあまり必要のない情報だった。そもそも布団から起き上がるのがしんどいのよ。
これ以外にも何冊か睡眠本を読んだけど他の本でも温度と最初の90分のことは書かれていたのでとにかく一番大事なことなんだと思われる。